どうも! イッキュウです。
このブログでは土木施工管理技士の1級と2級の難易度について解説します。
試験内容をふまえ、合格率、必要な勉強時間、偏差値指標などをふまえて幅広い観点で考察します。

ちまたにある難易度の解説の殆どは合格率データからコメントするものが多いです。正直ナンセンスだと思ってます。
例えば土木の二次の合格率は1級36%、2級も約37%です。1級と2級の難易度が同じなわけないですよね…
また合格率が分かっても、試験内容や自分の実力とリンクさせて考える必要があり、どれだけ勉強したら合格出来るのかもわからないですからね。
- 1級・2級の土木施工管理技士の難易度を知りたい。
- 試験の内容をざっくり知りたい。
- 一次・二次の合格率を知りたい。
- 自分でも合格出来るのか知りたい。
- 合格に必要な勉強時間を知りたい。
土木施工管理技士は業界で一定期間の経験がある人は、学歴に関係なく、誰でも一定の努力で得られる資格です。
ブロガーなりの自由な切り口と独学で苦労した経験をふまえ、他のサイトにはない考察をまとめます。
土木施工管理技士の試験内容
土木施工管理技士の試験は「第一次検定:マークシート問題」と「第二次検定:記述式問題」2つのステップを経て合格となります。
なお、令和3年度に制度改正があり、一次を合格した時点で「技士補」の称号が得られます。
以後は一次試験免除で二次を何回でも受験出来るようになりました。
それでは1級、2級それぞれで見て行きます!
土木施工管理技士・1級の試験内容
第一次検定の内容

第一次検定は午前と午後の部に分かれ、計4時間30分の試験です。
全て4肢1択のマークシートです。
※午後の施工管理法(応用)は穴埋め語句の組み合わせ問題です。
全問題数は96問ですが、分野によっては選択問題となるため、65問に解答します。
No | 1~15 (15問) | 16~49 (34問) | 50~61 (12問) |
分野 | 土工一般 | 専門土木 | 法規 |
解答 | 12問 | 10問 | 8問 |
No | 1~4 (4問) | 5~20 (16問) | 21~35 (15問) |
分野 | 共通工学 | 施工管理法 (知識) | 施工管理法 (応用) |
解答 | 4問 | 16問 | 15問 |
合格基準は次の①と②を満たす必要があります。
全問題 | 解答 | ①全問題 | ②施工管理法(応用) |
96問 | 65問 | 60%以上 (39問以上) | 60%以上 (9問以上) |
第一次検定は、問題が選択出来て、マークシートで、かつ60%の得点でOKなわけです。
また、過去問及びその類似問題の出題率が高いです。
その観点から難易度は低いといえます。
第二次検定の内容

第二次検定は経験記述と記述式問題で構成され、2時間30分の試験です。
施工管理技士において、第一次検定はウォーミングアップみたいなもの、難易度は第二次検定のものを指すと考えれば良いです。
問題1 | 問題2(穴埋め) | 問題3(記述) |
経験記述 | コンクリート | 施工計画 |
問題4 | 問題5 | 問題6 | 問題7 |
土工 | 品質管理 | 安全管理 | 建設副産物 |
問題8 | 問題9 | 問題10 | 問題11 |
土工 | コンクリート | 安全管理 | 施工計画 |
上記表には予想配点をいれています。 これで60%以上の得点で合格です。
全問題数 | 解答数 | 合格点 |
11 | 7 | 60%(点)以上 |
全て記述問題で、論文的な経験記述があります。一次と比較して数倍難しくなるイメージです。
土木施工管理技士・2級の試験内容
第一次検定の内容・合格基準
第一次検定は4肢1択のマークシート問題で、2時間10分の試験です。
全問題61問ですが、分野によって(例えば専門土木)は選択問題となるので、40問に解答します。
No | 1~11 (11問) | 12~31 (20問) | 32~42 (11問) |
分野 | 土工一般 | 専門土木 | 法規 |
解答 | 9問 | 6問 | 6問 |
No | 43~46 (4問) | 47~53 (7問) | 54~61 (8問) |
分野 | 共通工学 | 施工管理法 | 施工管理法 (基礎的な能力) |
解答 | 4問 | 7問 | 8問 |
合格基準は次の通りです。
全問題数 | 解答数 | 合格点 |
61 | 40 | 60%以上 (24問以上) |
第一次検定は、問題を選択でき、1級のような足切りもなく、マークシートで、かつ60%の得点でOKです。
過去問やその類似問題の出題率も高いです。
難易度はかなり低いです。
第二次検定の内容
第二次検定は経験記述と記述式問題で構成され、2時間30分の試験です。
施工管理技士において、第一次検定はウォーミングアップみたいなもの、難易度は第二次検定のものを指すと考えれば良いです。
問題1 |
経験記述 |
問題2 | 問題3 | 問題4 | 問題5 |
コンクリート (穴埋め) | 安全管理 (記述) | 土工 (穴埋め) | コンクリート (記述) |
問題6 | 問題7 | 問題8 | 問題9 |
土工 (穴埋め) | 品質管理 (穴埋め) | 安全管理 (記述) | 品質管理 (記述) |
上記表には予想配点をいれています。これで60%以上の得点で合格です。
全問題数 | 解答数 | 合格点 |
9 | 7 | 60%(点)以上 |
全て記述問題で、論文的な経験記述があります。一次と比較して数倍難しくなるイメージです。
令和3年度の改正でも難易度は変わっていませんでした!
施工管理技士の難易度とはつまり第二次検定のものです。
1級の第二次検定を分析しましたが、難易度は変わっていません出した。詳しくは以下をご覧下さい。
土木施工管理技士の1級・2級の合格率推移と考察

国交省・公式発表を元に過去に遡って独自にまとめた表を紹介します。
1級の合格率の推移
近年の合格者推移を一次、二次別にまとめました
合格率は一次は約59%、二次は36%です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平均 | 33,165 | 19,552 | 59.0% |
令和3年度 | 37,726 | 22,851 | 60.6% |
令和2年度 | 29,745 | 17,885 | 60.1% |
合和元年度 | 33,036 | 18,076 | 54.7% |
平成30年度 | 28,512 | 16,117 | 56.5% |
平成29年度 | 34,629 | 22,930 | 66.2% |
平成28年度 | 35,340 | 19,454 | 55.0% |
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平均 | 27,049 | 9,598 | 35.5% |
令和3年度 | 26,558 | 9,732 | 36.6% |
令和2年度 | 24,204 | 7,499 | 31.0% |
合和元年度 | 24,688 | 11,190 | 45.3% |
平成30年度 | 27,581 | 9,521 | 34.5% |
平成29年度 | 31,414 | 9,424 | 30.0% |
平成28年度 | 27,846 | 10,219 | 36.7% |
二次の受験者は一次合格者ですからトータルでみた合格率は0.59×0.36=0.21。
すなわち、合格率21%ということになります。
2級の合格率の推移
合格率は一次は約64%、二次は37%です。
1級とさほどかわらないですね。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平均 | 31,399 | 20,186 | 64.3% |
令和3年度 | 29,636 | 21,513 | 72.6% |
令和2年度 | 33,182 | 23,346 | 70.4% |
令和元年度 | 26,969 | 17,231 | 63.9% |
平成30年度 | 27,355 | 16,969 | 62.0% |
平成29年度 | 29,644 | 21,239 | 71.6% |
平成28年度 | 33,992 | 16,422 | 48.3% |
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平均 | 31,944 | 11,822 | 37.0% |
令和3年度 | 28,688 | 11,713 | 40.8% |
令和2年度 | 29,085 | 12,852 | 44.2% |
令和元年度 | 31,729 | 12,611 | 39.7% |
平成30年度 | 33,399 | 11,698 | 35.0% |
平成29年度 | 34,365 | 11,782 | 34.3% |
平成28年度 | 34,400 | 10,273 | 29.9% |
二次の受験者は一次合格者ですから、トータルでみた合格率は0.64×0.37=0.24。
すなわち、合格率24%ということになります。
1級と2級の合格率を考察する!
✔ 二次は一次の2倍難しいという単純な話ではない!
1級・2級ともに合格率がざっと一次60%、二次30%と約2倍です。
一方、二次の受験者は一次合格者です。「合格率:一次×二次」でみた合格率は約20%であることを着目すべきです。
数字比較は一次の合格率60%とトータルの合格率20%で見るべきであり、これだと3倍の差です。感覚的にこれぐらいの差があったと思います。
次に1級と2級の違いについて見ていきます。
✔ 1級と2級の難易度が同じわけがない!
トータルの合格率を見ると1級で21%、2級で24%とほぼ同じです。
しかし、難易度が同じわけがありません。
2級は経験年数が少ない若手が受験し、一次は高校生も受験が可能です。
1級は、2級の合格者や年配者といった地力の高い人、また、意識の高い人が多いことが容易に推察されます。
意識の高い層が受験して同じ合格率ということは、1級はそれだけ難しくなっているということです。

私の感覚ですが、問題を見る限り2級の難易度は1級の7~8がけぐらいです。
この事例は合格率だけ見て難易度をみるのはナンセンスということです。
難易度を知りたい場合は他の切り口が必要ということです。次に見ていきます。
難易度を数値化・相対化するには必要勉強時間が良い!

難易度を数値化するためには、結局、どれだけ勉強時間がかかるか・・?ということが一つの答えになると思います。

ここは私の独学経験から提案させていただきます。
私は中小企業の一専門業者の総務課長で工事経験もかなり前のこと。高学歴でもありませんし、受験者中でもかなり低い知識レベルと思われます。
そこで、不利な立場であった私の勉強時間と、立場が異なる場合の補正を掛け率で提案します。
一方で必要な勉強時間は人によって異なります。経験、立場、年齢など、みんな違うからです。
ちなみに、どのような勉強方法をとったかは以下を参照下さい。
1級土木・合格に必要な勉強時間
以下が私の独学勉強結果です。
一次(学科) | 二次(実地) | |
勉強時間 | 100時間 | 120時間 |
自己採点 | 82点 | 75点 |
結果を振り返り安全圏の実力 を得るに必要な時間 | 80時間 | 120時間 |
次に私の知識レベルが受験者の中でもボトムに近いと考えて補正値を出しました。これも他のセコカンブログをチェックしたなかの提案です。
立場 | ゼネコン | サブコン | 専門業者 |
補正値 | 0.8 | 0.9 | 1(私) |
現場経験 | 豊富 | 断続的 | 過去 |
補正値 | 0.8 | 0.9 | 1(私) |
例えば経験豊富でサブコン勤務なら以下の補正をして目安として下さい。
✔ 一次:80時間×0.8×0.9=58時間
✔ 二次:120時間×0.8×0.9=86時間
結論:一次、二次合計でざっと130時間~200時間程度と見ています。
次に2級を見ていきます。
2級土木・合格に必要な勉強時間
私はいきなり1級を受験をしたのでここは試験問題を確認した限りの推察です。
2級の難易度は1級の難易度約7~8がけです。
そんなに大きく下がることはありません。ざっと、1級の8がけで計算すると・・・
結論:一次、二次合計でざっと100時間~160時間程度と見ています。
以上は勉強時間は難易度の指標として、合格率よりも参考になると思います!
資格の偏差値・スクール受講料で難易度をみるという考え方もある

資格の難易度をつかむにあたり、自分が保有している資格と比べられたら、イメージがつかみやすいかも知れません。
✔ 全ての資格を偏差値にして数値化したサイトをみる
全資格に偏差値を付けたサイトがあります。自分や知合いの保有する資格と相対比較出来てイメージしやすいです。
客観的に比較可能な偏差値をつける方法があるわけないと思うのですが、アラフィフの私の人生経験、自分が保有する資格と見比べるとなるほど、よく出来ています。
次で調べると色々あります。上位2~3サイト見ると位置づけが見えてくるでしょう。
どのサイトもだいたい「1級土木:52」、「2級土木:48」ですね。
例えば私は1級建築施工を保有してますが、同サイトの偏差値では、1級55、2級が50となっています。なるほど、ほぼイメージ通りでした。
その他、他で馴染みのある、危険物取扱、コンクリート診断士、各種技能士などから位置づけを相対比較してみて下さい。
✔ セコカン・大手資格スクールの第二次検定料金で比較する
セコカン・スクールといえば日建学院と総合資格学院ですね。
そこの第二次検定の料金をみると、セコカン種目同士の難易度が比較出来ます。
つまり、難易度に応じて、教える量が増えるということですから。
その資格を持っている人に勉強時間や苦労話をきいて、自分なりに位置づけを決めると良いです。
以下ご参照までです。
✔ 日建学院
※建築は255,000円、土木は121,000円、管工事は88,000円、造園は66,000円
✔ 総合資格学院
建築は407,000円、土木は275,000円、管工事は247,500円、造園は44,000円
✔ とある農業高校の記事を参考にする
香川県立石田高校の農業土木科3年生のほとんどが2級土木の一次検定にパスしたという記事の一部を抜粋します。
香川県さぬき市の学び舎で将来の郷土を担う人材を育てる香川県立石田高等学校。全国建設研修センター(CIC)が6月に実施した「2021年度2級土木施工管理技術検定」の第1次検定に、同校農業土木科3年の受検者全員が合格した。
https://www.kensetsunews.com/web-kan/614513

いや~、感心しました!問題集見ただけで諦める人に知ってほしい!
2級発表後は全国の地方紙で似たような記事がたくさん上がります。特に一次は簡単なんです。この記事は大いに参考になると思います。
土木施工管理技士の難易度・まとめ
色んな切り口で難易度を紹介してみました。ご参考になれば幸いです。
なお、土木施工管理技士は独学で合格可能です。以下もご参照下さい。
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